トレチノイン軟膏

トレチノイン軟膏はシミ治療やニキビの治療にも用いられる塗り薬で、ビタミンAの誘導体です。

日本では厚生省の未認可成分ですが、アメリカではシミやシワ、にきびに効く医薬品として、FDA(アメリカ食品医薬品局)に認可されている有名な治療薬であり、皮膚の若返り薬として使用されているものです。

皮膚の若返り薬といわれるのはその優れた効果にあって

■ 表皮の細胞の新陳代謝を促して、皮膚の再生を促進。
■ 皮脂腺の働きを抑え、皮脂分泌を抑制。
■ コラーゲンを作りだし、お肌のハリや弾力を改善。
■ ヒアルロン酸を作りだし、皮膚の潤い力を改善。

といった効果が期待できるからです。

シミ治療に用いられるのは、表皮の細胞を活発に増殖させて表皮の細胞がどんどん押し上げていき、そのときに定着してシミになっているメラニン色素も一緒に押し上げていくので、肌の新陳代謝のなかで自然にメラニン色素を排出してくれるからです。

紫外線によるシミはもちろん、肝斑、炎症後色素沈着、扁平母斑などに有効で、ほくろやイボ、色素性母斑以外のシミや色素沈着には大抵効果があります。

基本的にシミ治療では トレチノイン軟膏を使うときは単独で使われることはほとんどなく、シミを漂白する作用の強いハイドロキノン軟膏と一緒に処方されてセットで使うことになります。

トレチノイン軟膏の作用は強力であることもあって、開始してすぐに皮膚が赤くなったり、ボロボロ剥がれるような刺激反応が起こり、こうした状態が約1ヵ月半(6週間)続きます。

見た目にもツライ時期になりますが、しみや色素沈着はこの間にどんどん薄くなっていきます。

経過をみながらになりますが、複数のタイプのシミが混在しているとわかった時点で、レーザーを併用して治療を行なうといった治療方針の転換を提案されることもありますし、治療が終わった時点でシミの状態を確認し、必要に応じて、1、2ヶ月の期間をあけた後に再び治療を再開することもあります。

なお、このトレチノインは大量投与により動物実験で奇形生ずることが確認されている成分です。過去にはアメリカにおいてトレチノイン配合のニキビ薬(内服薬)を使ったことで人間においても奇形が生ずることが報告されています。

今のところ外用においてはそうした報告は全くありませんが、トレチノイン軟膏をシミ治療に用いる場合は妊娠中の方はもちろん、避妊するように指導されます。

というように、トレチノイン軟膏を用いた治療は、効果は絶大ですが随伴症状として赤みや皮むけが起こりますし、医師の指示にきちんと従って治療していくことが非常に大切です。

個人輸入で海外のトレチノイン配合の薬やクリームは手に入れることができますが、それは危険なのでやめたほうがいいです。必ず医師と相談のうえ、シミの状態や肌質にあわせて適切に調合されたトレチノイン軟膏を使うようにしてください。

トレチノイン軟膏は普通の皮膚科でも処方してくれるところがあります。美容を目的に使用する場合には、保険適応外になりますが、相場としては10gあたり2,000円程度になります。

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